太田静子『あはれわが歌』檀一雄序文◇初版昭和25太宰治山崎富栄斜陽★井伏鱒二堤重久田中英光小山清尾崎一雄亀井勝一郎津島美智子

太宰治との「愛と生成と顛落の運命の行方を書いた」斜陽のモデル、太田静子の愛の記録『あはれわが歌』の出品です。檀一雄は序文で「私は太宰の愛人だと、はっきりと、是認してもよいと思った。太宰が斜陽の中で夢想化したよりももっと根強い、根元の響きのようなものがある。彼女の勇気と、彼女の身をもって描く人生を現代の気高い悲歌の一つに数えよう」と記している。キワモノ的？に刊行された「斜陽日記」に比較して、冷静な態度から、著者への「山﨑富栄の手紙」等の詳細な事実情報も書かれ、かなり骨太の、堂々とした読物に仕上げられています。

◎ジープ社刊　初版　昭和25年11月発行　226頁　

▲状態は、紙質の悪さもあり、経年のスレヤケシミ等あります。後ろ見返し等に、やや気になるオレシワがありますが、まずは並のコンデションです。